モルジブ諸島 Moldive Is



珊瑚礁のリーフに君臨するGT

ファイトは強烈だけど、筋肉痛が……

これって贅沢な悩み!?

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 モルジブはインド洋の赤道直下に位置し、コバルトグリーンのリーフに縁取られた2千余りの島が約25のリング状の環礁(アトール)に分散している。島の9割は無人島で、住民の大半が漁業に携わっている。ほんの十数年前までは、三角帆の張られた10〜13メートルのドーニ(吃水線が浅く幅の広いモルジブ特有の船)に10人ほどの漁師が乗り込み“ケオル”と呼ばれるリーダーの指揮下で漁を行っていた。今では三角帆を見ることは希で、ドーニの動力はディーゼルや船外機にとって変わられ、さらには優美なクルーザーがずんぐりとした木製ドーニの脇を駆け抜ける。気候は12〜3月の北西モンスーンの吹く乾期と5〜10月の南西モンスーンの吹く雨季に分かれ、年間の平均気温は24〜33度、水温は常時24〜28度。文字通り常夏の島である。

 成田からコロンボ経由で12時間。「インド洋の宝石」と称されるモルジブの首都マーレに降り立った。今回GTに挑んだのは北マーレ環礁の北西部に位置するサマーアイランドから南マーレ環礁の北端に至る環礁群。釣りのベースとなるのはマーレ空港からクルーザーで約1時間のタージ・コーラル・リーフリゾート。

 朝9時。桟橋に全長15メートルの大型ドーニ「ホライゾン」が迎えにきた。キャプテンはモルジブの海を知り尽くしたアルフレ。パーサーは陽気なラティーン。そして、毎回食卓を賑わしてくれるスリランカ生まれのコックなどクルーは4名。全員インド訛りの片言英語を話すのでコミュニケーションに不自由はない。

 ドーニの1階内部には操舵室兼用のリビング、ダイニング、キッチンなどがあり、地階客席部分には2段ベッドと簡易シャワー&トイレット付きの個室が4部屋。アッパーデッキは広々としたサンテラス風になっている。内部はナチュラルウッドが贅沢に使われ、フィッシング・ボートというよりクルーズ船のようだ。

 南国の情け容赦のない日差しが肌を焦がし、海鳥たちが上空高く舞い、大きな弧を描いている。南西の季節風に運ばれた波がリーフにあたって砕け散る。

1投、2投……。真っ白なサラシの先にキャストし、ストップ&ゴーで強烈なアクションを加えつつポッパーを踊らせる。日頃の運動不足がたたってか、早くも腕の筋肉が悲鳴を上げはじめる。なにせGTゲームは体力勝負。絶対にいる! 絶対に出る! と信じて遠くまでルアーを放り投げ、ひたすらアクションを加える……