ピピ島(タイ)Thailand

タイ国最大の国際洋上釣り大会

灼熱の太陽と

激辛料理と夜空を焦がす爆竹で盛り上がる

International ocean fishing convention.
Tropical sun and too hot cooking, and firecrack that scorch night sky inspired us.

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 パッパラパー、パッパ、パッ、パー……。

 タイ国最大の国際海上釣り大会の開催を記念するパレードが始まった。地元クラビ小学校の鼓笛隊が真っ赤なルージュをひいたバトンガールの少女を先頭に街をねり歩く。

 ドーン、パパパ、パン、パン、パン……。

 花火が打ち上げられ、爆竹が鳴らされ、極彩色の花が飾られた壇上では開襟シャツで正装した市長が額に浮き出た玉の汗を拭きながら何やら挨拶している。

 ここはバンコクから600キロほど南のクラビ市。これから巨大魚の潜むプラナーング湾(プーケット島の沖合い)を舞台に、年に一度、2日間に渡るドンチャカお祭り釣り大会が始まるのだ。

 今大会の参加総チーム数は63チーム。国際海上釣り大会といっても、海外からのエントリーはアメリカ、ホンコン、それとボクの日本チームだけ。

 「たかがタイの釣り大会じゃねーか」などと馬鹿にしてはいけない。スポンサーも世界のコダック、コカコーラ、地元商工会議所、旅行会社などそうそうたる企業団体が名を連ねている。おまけに現ナマの賞金こそないが賞品が凄い。自動首振り扇風機、今時珍しい角の丸いワンドア冷蔵庫、ガス炊飯器、魔法瓶、脱水機付き洗濯機、グラスロッド、リール、回転ダイヤル付きテレビ、スリーバンドラジオ……

 ヒューン、ドーン・ドドド・ドーン。

 スタート合図の花火が弾け、参加者たちがボートに向かって一斉に走り出した。ボートに取り付けられた骨董品のごときエンジンはヤンマー製の短気筒。それもマリン用ではなく、農耕機に使われていたエンジンを転用した物で、3メートルを越える長さのシャフトがダイレクトに取り付けられている。そのエンジン音は10キロ先に寝ている子でも起こすほど強烈で、そのスクリューの巻き上げる水しぶきは100キロ先の魚にだって伝わってしまいそうな勢い……