ニュージーランド北島 Newzealand North

NZにトラウトが放流されたのは1830年代のこと。

レインボーはカリフォルニア、ブラウンはイギリスから移入され、今では世界に冠たるトラウト王国だ。

It was 1830s that trouts were planted in NZ.
Rainbow trouots from California, Brown trouts from U.K. At this moment anglers come NZ from all over the world.

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 会長の釣り歴は長い。未開地でのサバイバル経験が豊富なだけに夕食のおかずを釣らせたらなかなかのもの。カストロ髭を指でしごきながら、ルアーだとかフライだとか餌釣りだとかの釣りスタイルにはまるで無頓着。ナマズ、ゴンズイ、カニ、タコ……軟骨魚類から甲殻類までなんでもござれ。それも、骨董屋に持ち込めばそれなりの値段がつきそうな年代物のタックルを惜しげもなく使って。

 会長の本業は推理作家協会に所属する売れっ子作家。今時珍しく愛用のエンピツを舐め舐め原稿用紙に向かっては、遥か処女地のウブな魚を釣り上げる夢を見ているのである。

 さて、その作家先生がなにゆえに会長と呼ばれるかを説明しておこう。話の発端はバーボンを喉に流し込みつつ、最近の男は雄としての自覚に欠けているのではないか。アングラーも情報に翻弄されてばかりで冒険心を失っているのではないか。ここは我々が手本を示すしかない。「雄の会」を設立しようではないか……などと盛り上がった。結果、作家先生が会長、ボクが名誉顧問に就任した。

 会員資格は以下の通り。

その一、幸せな家庭に縛られて誘いを断るような軟弱者は不可。

その二、生活臭の漂うワンボックス・カーに乗る者は不可。

その三、魚種を問わず2メーター以上の魚を釣り上げていること。

その四、海外遠征20カ国以上、5カ国以上の女友だちがいること。

その五、魅力的な女性を前にオスの本能に目覚めない男は失格。

その六、釣り歴20年以上であること。特例として陸釣りも加算可。

その七、ハイテクタックルに溺れる男は不可。

その八、オールドタックルをコレクションする輩は不可。

その九、携帯電話に四六時中監視されているような男は不可。

その十、スコッチ、バーボン、ウオッカ、日本酒のいずれか1本を一晩で飲めること。

 以上であるが、いまだに資格をクリアできる「オス」が現れず、おまけにネーミングが災いして女性会員の応募もない。ちなみに女性の場合、資格審査なし。釣り嫌いでも、酒が飲めなくとも、年齢容姿に関わらず来るものは拒まない。そもそも自然界において雄は雌を選べる立場にはない。雄はせいぜい巣作りしたり、声をかぎりに囀ったり、鶏冠を立てて虚勢をはったりが関の山。あとは雌に気に入られるのを待つばかりなのである……