ナイガニ島(フィジー)
Naigani Is
 
 
太平洋の真っ直中に浮かぶフィジーで
GT(ジャイアント・トレバリー)が入れ食い状態
贅沢とは思うが釣れ過ぎも詰まらないもの
The Melanesian east-end, Fiji is called "South Pacific Crossroad".
This is a paradise for anglers who pursue giant fishes.
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 南太平洋の紺碧の海面がリーフエッジで急速に盛り上がって砕け散る。純白のサラシが紺碧の海原に一筋の弧を描く。
 赤銅色に日焼けしたキャプテンが、JPプリンセス号をリーフエッジに沿って走らせる。ボクは80ポンドテストのショックリーダーに巨大なポッパーを結束し、ローリングするフォアデッキからルアーをキャストする。 
 ボコッ、ボコッ。ポッパーが海面でダンスを踊り、飛沫を上げる。
 「フィッシュ! フィッシュ・カミング!」絶叫と共に海面が盛り上がり、巨大なGT(ジャイアント・トレバリー)が海面を割って、ガッポン!と炸裂した。 
 1回、2回、3回、渾身の力を込めてフックアップ。ラインが弾かれたように海面を切り裂く。パームスCSP10620がバットから弧を描き、ペン6500SSが金属的な悲鳴をあげる。いよいよリーフの勇者GTバトルの幕開けだ。
 ここは『南太平洋の十字路』と称されるフィジー。大小320ほどの島々が紺碧の海に点在し、内100余りは無人島。その昔、ニューギニアやバヌアツ、ソロモン諸島など、メラネシア一帯は人喰い人種の島として恐れられていた。男たちは極彩色の化粧を施し、カヌーの船団を連ねて島を襲った。戦いに敗れた男たちは即座に首をはねられ、女子供は奴隷として連れ去られた。弱肉強食、人間も自然界の掟に習い、強い者のみが生き残り子孫を残すことができたのである。そんな習慣も20世紀初頭のキリスト教伝来と共に廃れ、今は平和そのもの。島の大半は珊瑚礁のリーフに囲まれ、巨大魚を追い求めるルアーアングラーとダイバーのパラダイスだ。
 今回、フライフィッシングを得意とするボクがルアーに挑んだのには、それなりの理由がある。知り合いの番組プロデューサーから、有名タレントの巨大魚釣りスペシャル番組の下調べを頼まれたのである。なにせ有名タレントはギャラも高いしスケジュールも詰まっている。現地に行って、「やっぱり大物はいなかった、釣れなかった」では済まされない。そこで、暇を持て余し、ギャラなんて雀の涙以下のボクに白羽の矢が立ったのである。個人的には暑い場所と南の島は不得意。ましてルアーはタックルが嵩ばるので、身軽な旅を信条とするボクにとっては不本意。だが、過去に八重山諸島やパプアニューギニアなどで取材のついでにルアーでGTを釣った経験から、一度はフライで釣ってみたいとの思惑もあった。そこで、ルアータックルの他にフライのタックルも密かに持ち込んだ。
 ナンディ国際空港から車で3時間半、日本人のゴルファーにお馴染みのパシフィック・ハーバー・インターナショナル・ホテルに荷物を解き、翌朝、ホテル自慢のJPプリンセス号で沖合いに浮かぶベンガ島に向った。ベンガ島はダイビングのメッカとして有名で、無数のトンネルとケープが入り乱れ、「南太平洋ダイビングの究極の聖地」などと呼ばれている。
 9月中旬だというのに季節外れの熱帯低気圧が海上に居座り、鉛色の雲が低く垂れこめ、時折横殴りの雨が顔を叩く。
 リーフに砕け散るサラシにフルキャストしたペンシルポッパーを軽くシェイクしつつ高速リトリーブする。波に弾かれながらもペンシルポッパーは逃げまどう小魚を演ずる……  
協力/フィジー政府観光局
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