ガスペ半島(カナダ)Gaspe Pen

カナダの東海岸に位置するケベック州

公用語はフランス語

良く言えば独立心旺盛で悪く言えば排他的

アトランティック・サーモンも例外じゃない

Here official laguage is French.
Like this State, Atlantic Salmons here has an independent spirit.

当サイトに掲載されている写真・文章等の無断使用は禁止します。

Copyright C 1996 ZAMMA MASAYUKI All rights reserved.

 「大地の果て」。カナダ南西部に位置するガスぺ半島の地名の由来となったミックマック・インディアンの言葉の意味だ。

 セント・ローレンス川河口に沿って突き出たこの半島は九州と同等の広さを持ち、今世紀初頭まで陸の孤島だった。現在でも大地のほとんどが深い森と湖に覆われ、フランスのブルターニュ地方から入植した住民たちが古い伝統にのっとった生活を営んでいる。12月から4月までの氷に閉ざされた長い冬が終わると、ガスぺ半島はメープル(砂糖カエデ)の目の覚めるような新緑に覆われる。そして6月になると大西洋の荒波を乗り越えたアトランティックサーモンが故郷の川に遡上を開始する。

 ボンジュール、オー・ルヴォワール……。セント・ローレンス川流域からハドソン湾流域一帯を占めるカナダで最も広いケベック州の公用語はフランス語。もちろん住民もフランス系で、同じカナダでありながら英国系住民が大半を占めるブリティッシュ・コロンビア州とは言語、文化、街並み、住民気質……。何から何まで違う。

 ボクは北米大陸で最も歴史のあるケベック市の観光局でカラー写真付きの豪華なパンフレットを入手し、国道132号線をセントローレンス川に沿って東方に向かう。目指すはガスペ半島の付け根にあるマタペディア川。距離にして600キロだ。途中のラズベリー畑に囲まれたキャンプ場で一泊し、さらにセントローレンス川を左手に見ながら走ること半日。やっとマタペディア湖の南岸の街アマクイに辿り着いた。そこからはマタペディア川に沿って南下する。

 木の葉の間から河原のフライフィッシャーがチラホラ見え、番号札の表示された道端には一見してアングラーの車と分かるピックアップ・トラックが停まっている。冷静沈着を装いつつも、じわじわと昂揚してくる自分が分かる……