マナウス
Manaus
 
 
南米ブラジル、アマゾン河口から遡ること1500キロ
その昔ゴムやジュートで栄えた大都市マナウスが現れる
そんな大都市に電力を供給するバルビーナダム
そこには「河の孔雀」ピーコックバスが待ち受けていた
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 大地を覆い尽くす昼なお暗いジャングルを縦横無尽に流れる世界最大の大河アマゾン。それはまるで原始の森の支配者であり、暴君であり、オゾン層破壊をくい止める守護神でもある。全長約6300キロ、流域面積約705万平方キロ、河口部の川幅はなんと約320キロ……。日本の総面積が約37万7千平方キロだから実に19倍弱。ボクのような東洋の島国育ちには想像を絶するスケールである。
 そんなアマゾン河口から文明の兆しさえ見えぬ茶濁した川筋を約1500キロ遡ると、突如として大都会が現れる。19世紀末、天然ゴムの積み出し港として繁栄したアマゾナス州の州都マナウスである。市内にはアマゾナス劇場(パリのオペラ座を模倣して造られた)や中央マーケットなど、当時の繁栄を物語る建築物も多く残されている。また、ネグロ川に面したマナウス港はアマゾン観光や水上交通の要所として現在でも重要な位置をしめ、貨物船、フェリー、アマゾン探検船などがひしめき合っている。
 アマゾンは雨季と乾季の水量の増減が激しいため、桟橋はすべて浮桟橋構造となっている。桟橋周辺には露天の市場が軒を連ね、アマゾンのもたらす豊富な幸や遠路はるばる船で運ばれてきた日常雑貨がところ狭しと並べられ、売り手と買い手の熱い会話が飛び交う。それはまるで、アマゾンのエネルギーが一カ所に集約したような熱気である。
 マナウス市から北に車で約3時間、アマゾン水系ウァトゥマン川のバルビーナ・ダムに足を伸ばした。白骨化したような立ち枯れた木々が林立するバルビーナ・ダムはマナウス市に電力を供給するために造られたダム湖で、河の孔雀と称されるツクナレ(ピーコックバス)や古代魚の姿を今に留めるアロワナ、アマゾンの殺し屋として恐れられているピラニアなどの宝庫である。
     *      *
 湖面を疾走すること1時間。かろうじて残された緑の小島の岸辺でエンジンを切り、ガイドはアマゾン特有のハート型のパドルで立ち枯れた木々の間をぬうように移動する。アマゾンと言えばコーヒーやミルクティー色の濁った水を連想してしまうが、ダム湖であるためか透明度が高い。
 強烈な日差しにさらされた湖面には生き物の気配もなく、水没して立ち枯れてしまった木々が、まるで開発という人間の愚かな行為を羨む墓標のように立ち並んでいる。
 そんな木の根本にポッパー系のフライをキャストする。着水して2度3度とアクションを加えた途端に四方からど派手な魚たちが群がる。そして次の瞬間にはフライが大きな口に呑み込まれ、魚もろとも宙に舞った。黄色い地肌に3本の黒い縞、尻尾には敵を欺くかのように黄色く縁取りされた黒い目玉のような紋がある。最大では12キロに達するアスー・ピーコックバスだ……
協力/ヴァリグブラジル航空・ツニブラトラベル
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